
【要約】認知症における神経精神症状(NPSs)とは?
- 高齢者介護においての大きな問題となるのは「認知症」である
- 認知症患者の神経精神症状(NPSs)はほぼ全ての方に影響を及ぼし本人、その介護者へ大きな負担となっている
- 神経精神症状(NPSs)への効果は証明されていないことが多いが非薬理的介入が第一選択とされ、有効なアプローチとなり得る可能性がある
【科学的知見】認知症患者の神経精神症状(NPSs)を深掘り
神経精神症状(NPSs)の種類と影響
神経精神症状(NPSs)は認知症の病気の進行に伴う重要な要素であり、患者やその家族に大きな影響を与えます。NPSsには以下のようなものが含まれます。
- 幻覚:見えない物や聞こえない音が存在すると感じる症状
- 妄想:現実と異なる信念を持つ、被害妄想や架空の過去を語る
- 抑うつ:気分が沈み、興味を失ったり、無力感や絶望感を感じたりする状態
- 不安:繰り返し心配したり、落ち着きがなくなる症状。未来や日常生活に恐怖を感じる
- 攻撃性:突然の怒りや攻撃的な行動
- 徘徊:理由もなく歩き回る行動。安全に関するリスクを増加させる
- 興奮:過度に興奮している状態でしばしば不安や混乱が伴う
- 無関心:社会的な活動への興味や参加を失い、感情的に鈍くなる状態
【データで見る】NPSsの発生頻度と影響
認知症患者(408名)を5年間かけて調査した結果、以下の神経精神症状(NPSs)を呈した割合の報告がされています。
<妄想:34-38%、幻覚:19-24%、興奮/攻撃性:13-24%、抑うつ:41-47%、無関心:51%、高揚感:1%未満、不安:24-32%、失禁:2-15%、いらだち:17-27%、異常な運動行動: 29%。>
また97%の参加者が少なくとも1つの症状を経験していたことから、認知症患者にはNPSsが高い確率で呈することが言えます。

【解決策】神経精神症状(NPSs)へのアプローチ方法
神経精神症状(NPSs)を対象とした有効性を証明できる薬理学的治療オプションは数少なく、非薬理学的介入がほとんどの臨床医によって第一選択治療と見なされています。しかし非薬理学的介入の効果は介護者の教育や情報により変動します。
現実的な臨床では、リスクを感じる症状が見られる場合は本人の行動を制限する環境設定をとることが多くなり、アプローチは投薬により症状の緩和を見るケースが多いように感じています。関わる介護者側が症状を理解することにより、本人の行動の許容と介護者の精神的な疲弊を防げるのではないかと考えられます。
【非薬理的介入】神経精神症状(NPSs)を改善する具体的な方法
2023年にNur Sabihaらが報告した文献レビューでは薬物療法だけでは神経精神症状(NPSs)に対処しきれない場合が多く、非薬理的介入(音楽療法、アート療法、動物介在療法、環境調整、リハビリテーション)と併用することで有効な手段となり得るとされています。
その中でも音楽と運動の組み合わせが有益だと複数の報告がされています。
軽負荷の運動を行うことで転倒防止へのアプローチができるとともに、穏やかな曲調のものや個人の好みに合わせた音楽は過去の記憶や感情の情動記憶を刺激し脳内のセロトニンやドーパミン(幸せホルモン)の分泌を促進するという報告もあります。
また非薬物療法の効果の評価に焦点を当てた文献レビューでは個別の過去の経験に応じてアプローチをカスタマイズすることが推奨されると報告されています。

療法士の視点で考える、認知症ケアで大切なこと
認知症は現在介護において大きな問題となっていることは理解していましたが、神経精神症状(NPSs)を知ることでより現場で活かせるものとなりました。しかしまだ有効と証明できる情報は少なく研究が進められている段階のものが多いため、今後も情報の更新が必要と感じました。
その中で運動を用いたアプローチも有効的な可能性があり、様々な研究でキーワードとなっているのは「安心を与える」ことではないかと感じました。また各個人の過去の背景を踏まえて手段を選択することが必要という点が意外だったため、現場で活かしていきたいと思います。
引用文献
1)Constantine G Lyketsos,Neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease.2011 Sep;7(5):532-9
2)Martin Steinberg, Point and 5-year period prevalence of neuropsychiatric symptoms in dementia: the Cache County Study.2008 Feb;23(2):170-7
3)Joan Amatniek,Neuropsychiatric signs and symptoms of Alzheimer’s disease: New treatment paradigms.2017 August;5
4)Nur Sabiha Md Hussin,Exploration of non-pharmacological interventions in the management of behavioural and psychological symptoms of dementia.2023 Aug;64(8):497-502
5)Jana Koch,Non-pharmacological interventions for neuropsychiatric symptoms of dementia in residential aged care settings: An umbrella review.2022 Apr:128:104187
作成者:近藤翔平 資格:柔道整復師
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