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体重差が水分摂取と喉の渇きに与える影響|脱水への生理的反応の違い

  • 2025.04.21

■【要約】体重と脱水時の喉の渇き反応に関する重要ポイント

  • 人間の脱水症に対する迅速な防御を可能にする生理学的メカニズムの中には、水の摂取を促すための渇きの誘発がある
  • 喉の渇きは”ホルモン制御下”にある
  • 肥満の人は痩せている人より喉の渇きを感じずらい可能性がある

■【科学的知見】脱水と水分補給における体重別の生理的反応

喉の渇きの仕組みとホルモンの関係性

水を飲む女性写真

水は必須栄養素であり、干ばつは脱水症を引き起こすことですぐに生存を脅かす可能性がある(1)。細胞内脱水症に関連する血液浸透圧の増加は、細胞機能障害を引き起こし(2)、脳が直接感知して主観的な渇き感を引き起こす可能性がある(3)。喉の渇きもホルモン制御下にある。循環アンジオテンシンIIとアペリンは喉の渇きの増加を誘発し、心房および脳の栄養素ペプチドは喉の渇きを軽減する(4)。これらのホルモンは肥満で変化することが知られているため(5)、痩せた人(BMI < 25kg/m2)と肥満の男性(BMI > 35 kg/m2)は喉の渇きの認識が異なる可能性があることを示唆している。

痩せ型と肥満体型における脱水時の水分補給反応の違い

表1

42人の男性(22人は痩せ、20人は肥満)に2時間の高張生理食塩水注入と24時間の水分不足によって刺激した研究では各脱水状態で、喉の渇き、脱水後の自由水摂取、尿、およびコペチンを含むホルモン反応が評価された。(6)肥満の個人は、高張生理食塩水に対するコペプチン応答が低い-予想通り、コペプチン濃度は、注入時間、肥満グループ、およびこれら2つの変数間の相互作用を伴う混合モデルで、高張生理食塩水注入で上昇した(p < 0.0001、図3A)。コぺプチンは注入を開始する前の肥満群によって違いはなかったが(p = 0.44、t検定)、生理食塩水中のコペプチンの増加率前述の混合モデルでは、リーングループ(グループx時間相互作用項のp = 0.004)と比較して、肥満の人のコぺプチンは低かった。肥満のあるグループとそうでないグループの間で、自由自在の水摂取は類似していたが、肥満の人は喉の渇きが少なく、コペプチン反応の低下を示した。(表1) 表1Hormonal Response to Hypertonic Saline
(A) Copeptin, (B) angiotensin II, (C) aldosterone, (D) atrial natriuretic peptide (ANP), (E)brain natriuretic peptide (BNP), and (F) apelin concentrations during intravenous infusion of 3% saline for 2 hours in men with obesity (■) and lean men (●). After the infusion,volunteers were allowed ad libitum water intake.(引用)

■【感想】指導現場での水分補給アプローチ

今回は、ダイエット目的で来店される方の水分量摂取量が少ないことが多く、この論文を読みましました。介入する中で「飲みたくても飲めない」や「飲むのを忘れてしまう」と仰っている方も多く、この論文を読み腑に落ちました。一般的には水分補給は喉が渇いた時にはもう遅いとも言われています。飲みたくてもホルモンなどの影響により喉が乾きを感じずらくなっていることを知ることにより水を飲んでくださいと声掛けするだけでなく根拠をもとに説明していきたいと思います。トレーニング中では喉の渇きを感じずらいということは水分補給が遅れやすく、脱水症状や熱中症のリスクが高まるため、こまめに声掛けを行なっていきたいと感じました。

■引用文献

1)Jequier E, Constant F. Water as an essential nutrient: the physiological basis of hydration. Eur J ClinNutr 2010;64(2):115–23. doi: 10.1038/ejcn.2009.111.
2)Yancey PH, Clark ME, Hand SC, Bowlus RD, Somero GN. Living with water stress: evolutionof osmolyte systems. Science 1982;217(4566):1214–22. doi: 10.1126/science.7112124.
3)Leib DE, Zimmerman CA, Knight ZA. Thirst. Curr Biol 2016;26(24):R1260–R5. doi: 10.1016/j.cub.2016.11.019.
4)Uehara Y, Shimizu H, Shimomura Y, Kobayashi I, Kobayashi S. Rat brain natriuretic peptide(BNP) reduces water intake following dehydration. Neuropeptides 1990;17(2):107–10. doi:10.1016/0143-4179(90)90057-6.
5)Wang TJ, Larson MG, Levy D, Benjamin EJ, Leip EP, Wilson PW, Vasan RS. Impactof obesity on plasma natriuretic peptide levels. Circulation 2004;109(5):594–600. doi:10.1161/01.CIR.0000112582.16683.EA.
6) Douglas C. Chang,Water intake, thirst, and copeptin responses to two dehydratingstimuli in lean men and men with obesity.Obesity (Silver Spring) . 2022 September ; 30(9): 1806–1817. doi:10.1002/oby.23520.

作成者:桑原未菜 資格:理学療法士

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