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【転倒恐怖の原因と対策】高齢者の転倒リスクを減らす最新アプローチ

  • 2025.03.18

■【転倒恐怖の要約】高齢者における転倒リスクと対策のポイント

  • 転倒恐怖症は年齢の上昇と有意に関連している
  • 転倒恐怖の主な治療アプローチとして、運動療法と認知行動療法(CBT)が挙げられる
  • VRによるエクササイズは転倒恐怖を減少させる可能性があり、高齢者のバランス感覚を促進し転倒のリスクを軽減する

■【転倒恐怖の科学的根拠】高齢者が抱える転倒リスクの実態

かがむ高齢者写真

高齢者が転倒を恐れる原因とは?

Manalらの研究1)では、パレスチナの高齢者サンプルにおける転倒恐怖症の有病率を推定し、転倒恐怖症の発症に関連する可能性のある因子を調査することを目的とした。調査の結果、転倒恐怖症は年齢の上昇と有意に関連しており、また、教育レベルの低い高齢者ほど転倒恐怖も増加する事が明らかとなった。この結果は、Salehら3)が以前実施した研究で、読み書きのできない高齢者が同世代の高齢者と比べて転倒への不安が高いことからも支持されている。それだけでなく、高齢者の依存度が高いほど転倒恐怖も高いことが分かっており、日常生活動作の介助の必要性が高まることで、高齢者は自分の身体能力に対する安心感が薄れ、転倒恐怖が高まる事が示された。

FOF(fear of falling)に対する運動の有効性

運動する高齢者

Ericらの論文3)よりFOFを治療するための主な治療アプローチは、現在、運動介入と認知行動療法(CBT)に代表される。FOFを治療するためのCBT介入は、転倒リスクに関する機能不全認知とその結果としての行動を修正することができる。FOFを引き起こす具体的な認知メカニズムは、不安、自信喪失、活動回避を含むトラウマ反応がある心的外傷後ストレス障害(PTSD)の認知メカニズムと関連している。Kendrickら4)は運動がFOFに直接影響を与えるか、FOFや転倒リスクに関連する因子に間接的に影響を与えることによって、FOFを減少させる可能性があることを示唆した。運動介入を伴うCBTも同様の効果が期待される。運動は、筋力、バランス、持久力、安定性のトレーニングを通じて転倒率を低下させ、また気分を改善することが期待されているからである。また、Kendrickら4)は、運動は転倒に関連する自己効力感を改善する可能性もある事を明らかにしており、Ericら3)はまた、運動介入を伴う認知行動療法(CBT)による転倒恐怖の減少は、介入後6ヶ月まで改善を持続させる可能性があるとも述べた。

VRエクササイズの効果!バランス低下や転倒恐怖を軽減する最新のリハビリ方法

Noorollaら2)は、老人ホームに入所している60名の高齢者を対象に、Xbox(身体動作や音声認識によって操作を行うことができる)を使用したVRエクササイズ(バランス向上に適するとされるペナルティ、ゴールキーパー、スキー、ダーツ動作)を行った介入群と、老人ホームで日常的に行われているエクササイズのみを行った対照群で、それぞれバランス向上にどのような影響をもたらすか比較した。6週間の介入後、それぞれの群のバランス、身体能力、転倒恐怖を評価した結果、介入群ではバランス能力の平均点が有意に上昇したが、対照群ではこの上昇は観察されなかった。また、VRによるスポーツ介入は、転倒の恐怖を低〜中等度のレベルで減少させる可能性があることが示された。さらにNoorollaら2)はXboxコンピュータの活用が、高齢者のバランス感覚を促進し転倒のリスクを軽減すること、ビデオゲームが脳梗塞患者あるいは運動失調の小児の動的バランスを強化することを示した。すなわち、高齢者であっても、VRのように映像と動作を組み合わせた成功体験を繰り返すことで、自然と運動学習につなげることができているのだと考えられる。

■【転倒恐怖の改善策】理学療法士ができるアプローチ

Produceでリハビリする高齢者

高齢者の転倒恐怖は、転倒歴や疾患などに影響して出現しやすいものである。これらの恐怖心に対して私たち理学療法士ができることは、転倒しないための福祉用具の提案や転倒恐怖症によって活動量が低下してしまった方に対する筋力、持久力、そしてバランス向上を図るための運動療法(リハビリ)を提供する事なのだと改めて感じた。特に私たちは訪問リハビリも行っているため、転倒しないために手すりの位置などを提案することもできる。そのため、利用者様とコミュニケーションをとりながら、転倒恐怖を減少させるためのアプローチを考えていくことも理学療法士としての役割だと感じた。

■引用文献

1)Manal Basdrasawi et al. Predictors of fear of falling among community-dwelling older adults: Cross-sectional study from Palestine. Plos One. 2022
2)Noorolla Zahedian-Nasab et al. Effect of virtual reality exercises on balance and fall in elderly people with fall risk: a randomizes controlled trial. BMC. 2021
3)Eric Lenouvel et al. Cognitive behavioural therapy (CBT) with and without exercise to reduce fear of falling in older people living in the community. Cochrane Database Syst Rev. 2023
4)Kendrick D, Kumar A, Carpenter H, Zijlstra GA, Skelton DA, Cook JR, et al. Exercise for reducing fear of falling in older people living in the community. Cochrane Database of Systematic Reviews 2014,
5) Lee HC, Chang KC, Tsauo JY, Hung JW, et al. Effects of a multifactorial fall prevention program on fall incidence and physical function in community-dwelling older adults with risk of falls. Archives of Physical Medicine and Rehabilitation 2013; 94(4): 606-15.

作成者:横田真桜 資格:理学療法士

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