■【要約】パワープレートによる全身振動トレーニングの主な効果
- WBV(Whole-body vibration:全身振動)運動は、グリシコル化ヘモグロビン(HbA1c)を減少させるなど血糖コントロールに最も効果的である
- 低周波と高周波のWBVトレーニングはいずれも痛みを有意に軽減し、自己申告による機能とTUGテストを改善する
- 特定の振動条件下でWBVトレーニングは、痙縮の軽減、筋力の向上、関節の可動性と筋肉の厚みの増加、姿勢の安定性の促進、バランス能力の向上、粗大運動能力の向上など、一部の脳性麻痺患者に対して効果がある
■【科学的根拠】パワープレートがもたらす効果の科学的知見
全身振動が糖尿病に与える影響
WBV運動は、代謝制御と糖尿病管理における潜在的な利点があるとして、最近注目されている。Maryamらの研究1)では、2型糖尿病患者の代謝指数(グルコースと脂質)に対するWBV効果を調査した介入について、系統的レビューとメタ解析を実施した。その結果、WBV運動は他の運動(バランス運動、レジスタンス運動、ストレッチ、有酸素運動など)や介入を受けていない群と比較して、グリシコル化ヘモグロビン(HbA1c)を減少させるなど血糖コントロールに最も効果的であることが示された。また、筋肉の活性化に対するWBV運動の潜在的な効果に焦点を当てた研究もあり、WBVが細胞のエネルギー代謝に重要なAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化する可能性が示唆されている。AMPKの活性化は、筋肉細胞においてさまざまな代謝反応を起こす可能性があり、また振動刺激による筋収縮の反復は、インスリンとグルカゴンホルモンの調節に影響を与える可能性を持っている。
膝OA(osteoarthritis:変形性関節症)患者に対する影響と効果
Chenらの研究2)では、疼痛、こわばり、身体機能、筋力、有害事象に関するアウトカムを対象として、「振動」と「変形性膝関節症」をキーワードにシステマティックレビューとメタ解析を実施した。メタ解析の結果、WBVとエクササイズを併用することで、膝関節OA患者の疼痛、自己申告機能、TUGテスト、伸筋力に対して強化エクササイズのみを行う対照群と比較して、更なるプラスの効果があることが示された。また、低周波と高周波のWBVトレーニングは、いずれも痛みを有意に軽減し、自己申告による機能とTUGテストを改善した。パワープレートなど振動プラットフォームから発生する振動は、筋紡錘を刺激し、α運動ニューロンの活性化をもたらし、振動強直反射や脊髄・脊髄上部のメカニズムが膝OAに対するWBVのポジティブな効果を説明するメカニズムとして挙げられている。
WBVトレーニングが脳性麻痺児にもたらす効果
全身振動トレーニングは、ウォームアップ、牽引、筋力トレーニング、筋弛緩、関節損傷のリハビリテーションを通じて、四肢と関節の機能回復を促進し、筋力と四肢の協調性と柔軟性を高めるものである。特定の振動条件下でWBVトレーニングは、痙縮の軽減、筋力の向上、関節の可動性と筋肉の厚みの増加、姿勢の安定性の促進、バランス能力の向上、粗大運動能力の向上など、一部の脳性麻痺患者に対して効果がある。さらに、WBVトレーニングの最大の特徴は、心臓や肺に過度な負担をかけることなく、心血管系や神経系などの重要な器官への影響も少なく、小さな負荷で効果的なリハビリテーションを実現できることである。WBVトレーニングは非侵襲的で比較的安全であり、トレーニング時間も短い。また、1回だけの介入でもプラスの効果を得ることができるため、小児のリハビリテーションに対する興味や熱意をより刺激することができる。そしてWBVトレーニングと従来の治療を併用することで、リハビリテーションにおいてより良い治療結果が得られる可能性がある。
■【感想】パワープレートで全身振動トレーニングを活用したリハビリ
WBVを始めとした全身振動トレーニングは、様々な疾患での身体機能低下、筋力低下、疼痛に対してポジティブな効果を示す事を知った。そのため、パワープレートを有効活用しながら、リハビリを行っていくことは重要なことであると感じた。特に自費リハビリのようなお客様のお悩みに沿ったリハビリの場合、疾患だけでなく、ダイエット、バランス向上、疼痛の軽減などの多岐にわたるアプローチ方法を模索しなければならない。そのため、どのお悩みにも良い効果をもたらすWBV(パワープレート等全身振動刺激)は、今後のリハビリの中でも積極的に取り入れていきたいと改めて感じた。
■引用文献
1. Maryam Binesh et al. The effect of whole-body vibration on glucose and lipid profiles in type-2 diabetes :A systematic review and pairwise and network meta-analyses of randomizes trials. PMC. 2024 May 31;14(1):12494
2.Chen Guang Qiu et al. Effects of Whole-Body Vibration Therapy on knee Osteoarthritis: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. PMC, 2022 Mar 29:54
3. Xiaoye Cai et al. The effect of whole-body vibration on lower extremity function in children with cerebral palsy: A meta-analysis. PMC. 2023 Mar 10;18(3)
作成者:横田真桜 資格:理学療法士
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