■要約
- サルコペニアは、骨格筋量と筋力の漸進的かつ広範な減少を特徴とする症候群である
- 年齢は運動強度の進行に影響しない可能性がある
■科学的知見
サルコペニアとは
サルコペニアは、骨格筋量と筋力の漸減を特徴とする症候群であり、身体障害、QOLの低下、死亡率といった不利な結果を招く危険性がある。2014年にCarlosraらが報告した文献1)では、サルコペニアは多因性であり、その進行は一般に骨格筋の加齢に伴う変化、すなわち同化因子の喪失や抵抗性の増加に起因すると考えられている。
1RM筋力の向上は、年齢による影響はある?
13週間の運動を実施した際の筋力の変化を9つの運動を用いて検証すると、若い女性で16.7〜36.4%、高齢女性で16.1~41.9%の筋力向上がみられた(表1)。高齢女性の筋力向上は、若い女性のトレーニング前の筋力レベルと一致していたされている2)。そのため、年齢によってトレーニング内容を変えるのではなく、一人一人にあったトレーニングを行うべきだと考える。
筋力トレーニングの効果
Binderらは、無作為化比較試験において、地域在住の虚弱症候群(78歳以上)の被験者91人を対象に、筋力トレーニングの効果を検討した。指導付きの筋力トレーニングを3ヵ月間実施した結果、研究に参加した女性および男性において、最大随意筋力と無脂肪体重が、主に脚部で増加したとされている3)。下肢において有病率の高い変形性股関節症、膝関節症は、インナーマッスルの筋力低下により罹るとされているが、この結果より筋力トレーニングを習慣的に実施することで予防、悪化防止が可能であると考える。
表1Muscle strength increase after 13 weeks of exercise training (文献2より引用)
■感想
座っている時間が長いこの世の中で、運動をすることが健康にとって有益なことは理解していましたが、実際高齢者にトレーニングを行う際、怪我を恐れ軽い運動を行っていました。今回、文献を読み高齢者だからではなく、その方その方にあった負荷でトレーニングを行うことへの理解が深まりました。興味深かったのは、同じ期間で若い女性で16.7〜36.4%、高齢女性で16.1~41.9%の筋力向上がみられた点です。年齢で固定概念を持つのではなく、その方その方にあったメニュー構築ができるよう考えていきたいです。
■引用文献
1)Carlos J. Padilla Colón, Pilar Sánchez Collado et al. Beneficios del entrenamiento de fuerza para la prevención y tratamiento delasarcopenia .Nutricion Hospitalaria. 2014;29(5):979-988
2) Emmanuel G. Ciolac et al. Age Does not affect exercise intensity progression among woman . Journal of Strength and Conditioning Research .2010:3023~3031
3) Ellen F. Binder et al. Effects of progressive resistance training on bodycomposition in frail older adults: results of a randomized, controlled trial. Journal of Gerontology .2005:1425~1431
作成者:桑原未菜 資格:理学療法士
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