凄腕ドクターに医療の最新情報をインタビューさせていただき、皆さまにお届けします。
今回は下肢静脈瘤の治療で権威ある目黒外科の齋藤 陽院長にお話しを伺いました。
※こちらから動画をご視聴いただけます。
自己紹介・目黒外科について
山崎: 今回は目黒にある「目黒外科」について斉藤先生にお話を伺います。まず、クリニックについてご紹介いただけますか?
斉藤: はい、目黒外科院長の斉藤です。当院は下肢静脈瘤という病気に特化した専門クリニックとして2017年に開業しました。規模は小さいですが、質の高い医療と温かいおもてなしの心で患者様に対応しています。「ここに来て本当に良かったな」と思っていただけるクリニックを目指しています。
山崎: 7年間も運営されているんですね!テレビ出演や書籍出版、さらにはYouTube活動もされていると伺いました。
斉藤: そうですね。海外での講演なども含めて、幅広く活動しています。
下肢静脈瘤とは?
山崎: 下肢静脈瘤について詳しく教えていただけますか?
斉藤: 簡単に言うと、足の静脈がコブのように膨らむ病気です。血液は通常、心臓から送り出され、全身を巡った後、静脈を通じて心臓に戻ります。この過程で、静脈の汚れた血液が足から心臓に向かって戻る必要があります。しかし、重力に逆らう必要があるため、静脈には逆流を防ぐ弁が備わっています。この弁が壊れると血液が逆流し、重力の影響で汚れた血液が足に溜まってしまうのです。この状態が下肢静脈瘤です。
山崎: 血液が溜まるとどんな症状が出るのでしょうか?
斉藤: むくみ、だるさ、小むら返り、皮膚の変色、血管がボコボコ膨らむといった症状が見られます。
下肢静脈瘤の検査や治療・手術の方法は?
下肢静脈瘤の診断方法
山崎: 診断方法はどのようなものですか?
斉藤: 見た目で判断できることもありますが、目立たない場合は超音波検査を行います。これで血液の逆流を確認し、最終的な診断を下します。
下肢静脈瘤の治療法
山崎: 治療にはどのような方法があるのでしょうか?
斉藤: 症状の重さによって異なります。軽度の場合は弾性ストッキングという医療用の靴下を使用します。これを履くことで当面の不快な症状は治すことができるんですね。ただし、弾性ストッキングは、夏の暑い時期でも履き続ける必要があるため、これを長期間着用するのが煩わしいと感じる方もいらっしゃいます。そういった場合には、根本的に治しましょうということで、カテーテルを使った治療を行います。これは逆流する静脈を閉じて血液の流れを改善するもので、逆流する静脈をカテーテルで血液が流れなくなるよう処置します。そうすることによって 血液の逆戻りが止まりますので不快な症状も治ります。
山崎: 手術はどのような特徴がありますか?
斉藤: 近年では、皮膚を切らないし傷も糸で縫わない、だから抜糸もなく傷跡も残りにくいという手術が主流です。目黒外科では、こうした手術の治療法を用いて下肢静脈瘤を治療しています。特に仕上がり具合、患者さんの症状の改善具合で患者さんの満足度も非常に高く、喜んでいただいています。ちょっと後ろを見ていただくと分かるんですけど、あれは手術の件数がその年の日本一のクリニックに送られる盾です。
4年連続で手術件数日本一のクリニックとして表彰されています。質が高いからこそ下肢静脈瘤の治療を受けてくださった患者さんが喜んでくださって、ご家族やお知り合いの方にも目黒外科をご紹介くださって、その輪が広がって今のこの結果があるのかなと思ってます。
手術に伴う不安とその対応
山崎: 手術に不安を抱える患者さんも多いのでは?
斉藤: そうですね。治療中の不安を軽減するために、鎮静剤を使用してリラックスしていただいています。
当然皮膚の表面には痛み止めの麻酔の注射をしますが、麻酔は注射なので注射自体はチクチク刺される痛みがあります。そのため、患者さんには鎮静剤で眠っていただくようにして、治療中の不安が一切ないようにしています。
実際の手術中は「痛みを感じないので安心でした」という声をよくいただきます。患者さんによっては、術後すぐに「こんなに簡単に終わるとは思わなかった」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
医療用弾性ストッキングと市販品の違い
山崎: 医療用弾性ストッキングと市販品にはどのような違いがありますか?
斉藤: 医療用弾性ストッキングと市販の弾性ストッキングの大きな違いは、圧力の数値にあります。医療用弾性ストッキングは、20hPa以上の圧力が求められており、これを基準に分類されます。20hPa以上の圧力を持つストッキングは、医療機器として扱われ、厳しい審査基準をクリアした製品のみが販売されます。これらは、医療用としての利用期間に限定され、処方が必要な場合があります。
一方、市販されている「着圧ソックス」と呼ばれる商品は、むくみを取るなどの効能が記載されていますが、医療用弾性ストッキングとは異なり、圧力が20hPa以上には設定されていません。市販品は、圧力をかけることを目的にした「きつい靴下」として位置付けられており、品質基準をクリアする義務はありません。そのため、太くて固い糸で編まれた商品でも、足を締め付ける感覚があり、多少の血行促進効果が期待できるかもしれませんが、医療用のものと同等の効果は得られません。
医療用弾性ストッキングは、伸縮性のある糸を使用し、足の甲に最も強い圧力をかけ、足首やふくらはぎに向かって圧力が弱くなるよう3段階圧力に設計されています。この圧力の変化により、血液が下から上へと流れるように促進され、まるでマッサージを受けているような効果が得られます。そこが大きな違いです。
運動の重要性と第二の心臓
山崎: 足を動かすことが大事だとおっしゃいましたが、その理由は?
斉藤: 足は「第二の心臓」とも言われていますが、これは主にふくらはぎの筋肉を指します。本物の心臓は24時間絶え間なく血液を全身に送り出していますが、足に向かって流れた血液が再び心臓に戻るためには、心臓と同じような力が必要です。この役割を担うのがふくらはぎの筋肉で、筋肉がポンプのように働いて血液を心臓に向かって押し戻します。この動きを「筋肉のポンプ作用」と呼びます。
ただし、本物の心臓は24時間休むことなく動いていますが、第二の心臓であるふくらはぎの筋肉は、歩いているときにしか動きません。つまり、1日の中で歩いている時間はわずかで、多くの時間、足の静脈内では血液は停滞しています。このまま血液が滞留していると、まるで水風船に血液が溜まっているような状態になり、風船のゴムが伸びるように、静脈が伸びてしまうのです。これが下肢静脈瘤の原因となります。
特に、長時間座っているデスクワークや、立ちっぱなしの仕事をしている人は下肢静脈瘤になりやすいです。立ち仕事では足と心臓の距離が遠くなるため、血液が上に戻りにくくなります。また、長時間の座位や動かない時間が多いと、血液が滞留しやすく、静脈が伸びる原因となります。コロナ禍で在宅勤務が増えたことで、この病気の患者も増加しました。
運動は、下肢静脈瘤を予防するために非常に重要です。足の筋肉を動かし、血液の流れを促進することで、静脈の負担を軽減できます。運動は健康のために大事ですが、特に血液循環のためにはとても大事です。
山崎: 日常の運動が大切なんですね!
斉藤: その通りです。新しい生活様式で増えた病気ですが、日々の運動で予防することが可能です。
メディカルフィットネスに期待すること
斉藤: 整形外科では、怪我などでリハビリを受け、社会復帰を目指す方々がいますが、そのリハビリは基本的に150日までしか健康保険が適用されません。脳梗塞後など、脳神経外科でのリハビリは180日まで適用されます。しかし、151日目や181日目を迎えてしまうと、健康保険は一切適用されなくなり、患者さんは「見捨てられる」状態になってしまいます。ですが、150日以内に全員が社会復帰できるわけではありません。復帰が難しい場合、その方々は行き場を失い、大変困ってしまいます。
そうした課題を解決するための仕組みを考案したのが、メディカルフィットネスProduce代表の山崎さんです。山崎さん自身もリハビリに携わっている中で、患者さんが直面する問題に気付き、その需要が自分にもあったことから、必要な支援を提供しようと行動を起こしました。言うなれば、「必要は発明の母」という言葉通り、発明という形ではないものの、困っている人々を何とかしたいという思いから新しい仕組みを立ち上げました。私自身も、もし怪我をして社会復帰を目指しているのに行き場がなくなってしまった場合、非常に困るだろうと感じます。そのような時に頼りにできる場所があれば、とても心強いです。
目黒で開院した理由
斉藤: 話が長くなりますので端的にお伝えします。私は長い間勤務医として、特に下肢静脈瘤の分野で「斉藤先生」と言われるような立場を築いてきました。この分野での手術では自負を持っており、自分の専門性を活かして患者さんを助けてきました。しかし、私はこのままでは自分のキャリアが限られてしまうと感じるようになり、もしこの病院で働き続けていても、さらに多くの患者さんを救うことができないのではないかという思いに駆られました。そこで、思い切って開業を決意しました。
次に、開業場所について考えたのですが、このプロセスに約2年を要しました。最終的に目黒に決めたとき、私は駅前のビルのどれかでテナントが空くまで開業をしないと心に決めたのですが、その覚悟を決めた途端、2ヶ月で理想の物件が空いたのです。「覚悟を決めると人間は引き寄せる」という話ですね。
目黒外科の今後の展望
山崎: 目黒外科の今後の展望を教えてください。
斉藤: 下肢静脈瘤一筋に27年間取り組んできました。おかげさまで、私の熱い思いが「目黒外科」という形となり、今では開院から7年が経過しました。この間、4年連続で下肢静脈瘤の手術件数が日本一となり、私たちの医療の質が高く評価されていると感じています。これまでは、患者数を増やすことを目標に日本一を目指してきましたが、今年もおそらく日本一の成果を達成することができると確信しています。5年連続で日本一を達成することは当然の結果だと考えています。
さらに、今年からは若手医師の育成に力を入れることにしました。4月からは1名の若手医師に研鑽を積んでいただいており、教えることによって私自身も多くを学んでいます。ある程度、プランナーとしての目標は達成してきましたが、次のステップとして人を育てることを決意しました。若手医師が成長すれば、次の世代が育ち、また2人目、3人目の弟子が来てくれるかもしれません。このように育成を通じて、自分自身の成長と目黒外科の成長を目指しています。
また、全国から患者さんが来てくださっている中で、私たちの医療技術が日本だけでなく、世界に広がってほしいと考えています。具体的には、アジアの観光客に、私たちの下肢静脈瘤手術を旅行ついでに受けていただき、足の見た目や辛い症状を解消しながら、日本滞在を楽しんでいただくという新しい形の医療サービスを提供しています。先日はシンガポールでプロモーション公演を参考に見てきました。これからも他の国々へ講演で訪れる度に、世界中の方々にこの素晴らしい技術を知っていただきたいと思っています。
次の目標は、世界に向けて私たちの医療技術を広めることです。日本一を超えて、世界を目指して挑戦し続けます。
書籍のご紹介
山崎: 僕の手元にこういうのがあるんですけどご紹介していただけますか。
斉藤: 「世界一わかりやすい下肢静脈瘤の治療と予防」について
この本は、「世界一わかりやすい下肢静脈瘤の治療と予防」というタイトルで書きました。私はよく患者さんから、「先生の例え話が面白くて、分かりやすい」と言われることが多く、そのため「例え話王子」と呼ばれています。この本では、下肢静脈瘤という一見難解な病気について、わかりやすい説明を心掛けました。
この本が、全国の下肢静脈瘤の医師たちにも参考になれば嬉しいですし、もちろん患者さんに読んでいただくことが一番の目的です。多くの方々がこの本を手に取り、治療のチャンスを得て、悩みを解消できればと思い、この本を書きました。
目黒外科について
目黒外科 院長 齋藤 陽
下肢静脈瘤治療の日帰り手術を行う専門クリニック 目黒外科様のホームページはこちら
住所:東京都品川区上大崎2-15-18目黒東豊ビル6階
メディア出演:TV「世界一受けたい授業」、著書「世界一わかりやすい下肢静脈瘤の治療と予防」、週刊新潮コラム、朝日新聞、ほか多数
目黒外科|下肢静脈瘤専門クリニック YouTubeチャンネル
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