80代女性、ペースメーカー留置後の感染により廃用症候群を呈した方
①歩行動作
◯Before
◯After
②立ち上がり動作
◯Before
◯After
■介入経過
開始当初(Before)
- 離殿:勢いをつけて3回目で可能(座位から立位へ)
- 筋力:左は著名な問題はなし。右は屈曲、伸展、内転、外転は重力を抜けば動作可能。外旋、内旋はほとんど不可能。
- 姿勢:立ち上がり時につま先が浮き、後方重心となっている。
- 歩行:一人では困難、杖歩行でのふらつきあり。右下肢への体重がうまく乗らず体を曲げながら代償して歩いてしまう。
- 居室:不安定な椅子など使って立ち上がりや歩行行うため、転倒リスクが非常に高い。(居室内の安全な支持物なし)
今月終わり(After)
- 離殿:後方重心ではあるが1回目で勢いをつけずに離殿可能。
- 筋力:ほぼ変化なしだが、重力を抜けば動かせる程度から重力下でも頑張れば動作可能
- 姿勢:後方重心は残存していますが、重心を前方へ持って来れるように。
- 歩行:廊下内は手すり把持+杖での歩行が支えなしでも可能。右下肢に体重を乗せながら歩行可能。体幹での代償も減少。
- 居室:手すり(ベスポジ)の導入により立ち上がりやトイレまでの移動で安定した。支持物を導入することで転倒リスクが減少を図っている。
※離殿:椅子からお尻を浮かせること
■福祉用具の活用について
【ベスポジの配置】
ご利用者様の生活スタイル(行動範囲)
から片手を伸ばして次の支持物へ届く範囲にて設置。
普段室内を歩き回る事は少なく、テレビを見ていることがほとんどトイレへの移動がこの時点で一番のリスクと考え、ベッドからトイレまでの移動の安全性の確保を優先事項とし、この配置を選択しております。
現在までのリハビリ経過
<開始時から取り組んだこと>
- つま先が浮いてしまい後方重心であることに対して→足底感覚(足趾の感覚)を入力。
→高齢者の方の後方重心の原因は臥床時間が長くなることから体の後面(背面)へ圧がかかり続けることで重心位置が後方へズレることが要因に挙げられます。筋力の問題の前に神経系へのアプローチが必要 - 右下肢筋力の低下に対して→座位での下肢の筋力トレーニングを行う。
→まずは座った状態で重心を安定させて自由に動かせる範囲を広げていきます。また、ベッドの高さを調整しながら立ち上がり動作の反復練習を行う事により、重心移動の練習を行いながら下肢の筋力向上に対してもアプローチを行う。 - お部屋内での転倒リスクに対して→手すりの導入により転倒リスクの減少を図る。
→日常生活の行動範囲を把握し、リスク面の優先順位をつけます。今回のご利用者様はベッドと洗面台の間への設置を最優先としております。 - 歩行耐久性の向上と歩行時の不安定性に対して
→前後半で2回に分けながら歩行練習を実施し、バイタルを確認しながら負荷量の調整し体力面の向上へも取り組みました。
できるようになったこと
お部屋内にベスポジを導入した事で、椅子や机など不安定な支持物に頼る事なくお部屋内の移動ができるようになっております。また、ベスポジを使うことで転倒の危険性も大幅に減少しております。廊下内の歩行では、以前は杖歩行にて大きなふらつきが現れており、一人での歩行はほぼ困難な状況でしたが、最近では手すりの把持と杖での歩行を反復して運動の再学習を行うことで、リハビリ担当者の支えがなくても歩行が行う事ができております。
今後の介入について
今後の課題として、下肢筋力の向上、後方重心の修正、体力の向上が挙げられております。まずは引き続き筋力トレーニングや自動運動を行うことで、立位や歩行での安定性の獲得を目指してまいります。そして運動による筋力の向上を図った上で、足底の感覚入力や重心のコントロールの仕方を学習して頂き、後方重心の修正や歩行の安定性に繋げていきたいと考えております。
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